全粒粉の特徴とは?他の小麦粉との違いや栄養・選び方・保存法まで解説

穀物の写真

食物繊維やビタミン不足に悩んでいる人は多くいます。最近では健康的な食生活に適した食材として全粒粉が注目されており、日々の栄養摂取におすすめです。この記事では、全粒粉の基本知識や栄養価、選ぶときのポイントを解説します。記事を読めば、全粒粉の健康効果を生かした食事作りができるようになります。

全粒粉は、小麦の胚芽やふすまを含む栄養価の高い食材です。全粒粉は食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富で、日常の食事に取り入れるだけで健康面のメリットが期待できます。全粒粉を上手に取り入れて、毎日の食事をより健康的にしましょう。

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全粒粉とは小麦の粒をまるごと挽いて粉にしたもの

全粒粉パンの写真

全粒粉は小麦の表皮や胚芽、胚乳をすべて挽いた粉です。通常の小麦粉と違い、製粉過程で栄養素を取り除かないため、小麦本来の栄養を含んでいます。全粒粉は香ばしい風味と独特の食感が特徴で「ホールウィート」や「全粒小麦粉」とも呼ばれます。

小麦アレルギーやグルテン不耐症の場合、全粒粉の摂取はできないため注意してください。全粒粉は多くの健康志向の人に人気があります。

全粒粉と他の小麦粉の違い

全粒粉と小麦、麦の写真

全粒粉と他の小麦粉との違いを解説します。

  • 白小麦粉との違い
  • グラハム粉との違い
  • ライ麦粉との違い

白小麦粉との違い

全粒粉と白小麦粉の違いは、使用している小麦の部位が異なる点です。全粒粉は小麦の外皮(ふすま)や胚芽、胚乳をすべて含むのに対し、白小麦粉は胚乳部分のみを使用します。使用する部位によって、見た目や栄養価が大きく変化します。

全粒粉は茶褐色をしていますが、白小麦粉は名前のとおり白色です。全粒粉と白小麦粉は栄養面でも違いがあり、全粒粉には食物繊維が白小麦粉の約3倍も含まれています。他にもビタミンB群やビタミンE、各種ミネラルが豊富です。一方、白小麦粉は精製過程で栄養素の多くが失われます。

全粒粉と白小麦粉は、風味にも大きな違いがあります。全粒粉はナッツのような香ばしい香りと、力強い風味が特徴で、白小麦粉は風味が穏やかな傾向にあります。全粒粉と白小麦粉の特徴を生かすには、料理によって使い分けることが大切です。全粒粉は吸水性が高く、生地がもっちりと仕上がる一方、白小麦粉は軽くふんわりとした食感になります。

全粒粉と白小麦粉は、保存期間も異なります。全粒粉は油分を含む胚芽があるため、保存期間は2〜3か月です。一方、白小麦粉は約1年と比較的長く保存が可能です。

グラハム粉との違い

グラハム粉の写真

全粒粉とグラハム粉は似ていますが、明確な違いがあります。グラハム粉は全粒粉の一種ですが、粗く挽かれている点が特徴です。グラハム粉を使った食品は、全粒粉の中でも特に食感がより粗く、独特の風味が強く感じられます。

グラハム粉は、19世紀にシルベスター・グラハム牧師が健康食として提唱したことがきっかけで広まりました。全粒粉はパンや菓子、パスタなど幅広い料理に使え、グラハム粉はクラッカーなどの粗い食感を生かした料理に向いています。

全粒粉とグラハム粉の栄養価はほぼ同じですが、粒子の粗さが異なるため、消化吸収率にわずかな差があります。グラハム粉のほうが荒く消化に時間がかかるため、ゆっくりと吸収される傾向があります。全粒粉とグラハム粉は普及地域も異なり、全粒粉が世界中で使われているのに対し、グラハム粉は主に欧米圏で使われています。

ライ麦粉との違い

全粒粉とライ麦粉は見た目が似ていますが、原料や特徴に大きな違いがあります。全粒粉は小麦を使用して作られるのに対し、ライ麦粉はライ麦から作られます。全粒粉とライ麦粉の違いは以下のとおりです。

全粒粉
茶色がかった色で、自然な甘みがある
ライ麦粉
全粒粉より暗い茶色で、独特の酸味と強い風味がある

ライ麦粉は血糖値の上昇がゆるやかで、植物由来のポリフェノールであるリグナンを含むことが特徴です。パン作りにおいては、ライ麦粉はグルテン含有量が少ないため、使用すると密度の高いパンが作れます。全粒粉は水分吸収率がライ麦粉より低く、さまざまな料理に使いやすい傾向です。

ライ麦粉は北欧料理やドイツのパンなど、特定の伝統料理によく使われます。健康志向の方は、全粒粉とライ麦粉をバランスよく取り入れましょう。

全粒粉の栄養素と健康効果

全粒粉の写真

全粒粉の健康効果について、以下の栄養素ごとに解説します。

  • 食物繊維
  • ビタミン類
  • ミネラル類
  • 抗酸化物質

食物繊維

全粒粉の最大の魅力は、豊富な食物繊維です。白小麦粉と比べると約3倍の食物繊維を含んでいるため、健康的な食生活を送りたい人に理想的な食材です。全粒粉には水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれており、体にさまざまな良い影響を与えます。

水溶性食物繊維は血糖値の急上昇を抑え、コレステロール値を下げる働きがあります。満腹感を長続きさせるため、食事量を抑えるのにも効果的です。不溶性食物繊維は腸内環境を整え、便通を促進させると言われています。腸内フローラの健全化にも効果があると考えられています。全粒粉には100g当たり約12〜15gの食物繊維が含まれています。

全粒粉に含まれる食物繊維は、厚生労働省が推奨する1日の摂取量(男性20g以上、女性18g以上)の達成に大きく貢献します。しかし、日本人の多くは推奨量に達していないのが現状です。食物繊維を十分に摂れば、消化・吸収がゆるやかになり、長時間エネルギーを持続的に供給できます。
» 厚生労働省 日本人の食事摂取基準 炭水化物(外部サイト)

ビタミン類

色とりどりの野菜と果物

全粒粉に含まれるビタミン類は、私たちの健康維持に欠かせない栄養素です。特に全粒粉にはビタミンB群とビタミンEが豊富に含まれています。全粒粉は精製過程でビタミンを失わないため、白小麦粉の約4倍ものビタミンB1を含みます。全粒粉に含まれる主なビタミンは以下のとおりです。

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ナイアシン
  • 葉酸
  • ビタミンE

ビタミンB1は炭水化物の代謝を助け、エネルギー産生をサポートします。ビタミンB2は細胞の再生や成長に関わり、ビタミンB6はタンパク質の代謝に重要です。ナイアシンは皮膚や神経の健康を維持し、葉酸は妊婦さんにとって重要で、胎児の発育をサポートします。

ビタミンEには抗酸化作用があり、細胞を酸化ダメージから守ります。ビタミン類は疲労回復や肌の健康維持にも効果的です。ビタミン類は熱に弱い性質があるため、全粒粉を長時間加熱調理すると、ビタミンの一部が失われる可能性があります。ビタミンを失わないために、できるだけ加熱時間の短いレシピや低温調理・余熱調理を取り入れましょう。

日常的に全粒粉を食事に取り入れれば、必要なビタミン摂取量の一部を補えます。週に1回など無理のない範囲で全粒粉を取り入れてみましょう。

ミネラル類

全粒粉には豊富なミネラルが含まれており、日常的に摂取すれば、体のさまざまな機能をサポートできます。全粒粉は白小麦粉と比較して2〜3倍のミネラルを含む栄養価の高い食材です。全粒粉に含まれる主なミネラル類は以下のとおりです。

鉄分
貧血予防や赤血球形成に役立つ
マグネシウム
骨の健康維持や筋肉機能の正常化に貢献する
亜鉛
免疫機能の向上や細胞の修復サポートを行う
セレン
抗酸化作用があり、細胞を酸化ストレスから守る
カリウム
血圧調整や筋肉機能の維持に役立つ
リン
骨や歯の形成に必要で、エネルギー代謝にも関わる
マンガン
骨形成や代謝機能の調整に重要な役割を果たす
鉄の吸収を助け、赤血球の形成や神経機能の維持に貢献する

全粒粉に含まれるミネラルは、小麦の「ふすま」と「胚芽」の部分に多く含まれます。白小麦粉の精製過程で、ふすまと胚芽が取り除かれるため、全粒粉を選べばより多くのミネラルを摂取できます。

抗酸化物質

全粒粉には強力な抗酸化物質が豊富に含まれています。抗酸化物質は私たちの体を有害な活性酸素から守り、健康維持に大きく貢献しています。全粒粉に含まれる主な抗酸化物質は、フェルラ酸やフィチン酸などのポリフェノール類です。

抗酸化物質は小麦のふすまや胚芽に集中しています。全粒粉に含まれるフェルラ酸やフィチン酸などの抗酸化物質は、白小麦粉の2〜4倍にものぼります。抗酸化物質の主な働きは、慢性炎症の抑制や早期老化の予防、生活習慣病のリスク軽減などです。

全粒粉の抗酸化物質は熱に比較的強い特徴があり、パンやお菓子に焼き上げた後も、効果が持続します。全粒粉にはベータカロテンやビタミンEなどの脂溶性の抗酸化物質も含まれるため、栄養バランスに優れた食材です。ベリー類や緑茶などの他の抗酸化食品と組み合わせると、相乗効果も期待できます。

全粒粉を長期的に摂取すれば、免疫力の強化にも効果があると言われています。
» 栄養バランスのとれた食事を実現する方法!

全粒粉を選ぶときのポイント

全粒粉で作られたパンやパスタ、全粒粉の粉の写真。

全粒粉を選ぶときは、粒度と用途を意識しましょう。

粒度

全粒粉の粒度は料理の仕上がりや食感に大きく影響します。全粒粉の粒度は主に以下の4種類に分けられます。

  • 細挽き(ファイン)
  • 中挽き(ミディアム)
  • 粗挽き(コース)
  • 超細挽き(エクストラファイン)

細挽きの全粒粉は水分をすばやく吸収するため、生地作りがスムーズです。粒度が細かいほど表面積が大きくなり、酸化しやすい点には注意してください。中挽きは万能で、家庭でも使いやすく、パンやクッキー、ケーキなど幅広い料理に対応できます。中挽きは全粒粉を初めて購入する人にもおすすめです。

粗挽きの全粒粉はナッツのような風味が強く、食物繊維も豊富です。粗挽きの全粒粉は食感を生かしたパンやマフィン作りに向いています。全粒粉は粒度が粗いほど食物繊維が豊富で、栄養価も高くなる傾向があります。粗い粒度ほど食物繊維が豊富で消化に時間がかかるため、腹持ちが良い特徴があります。細かい粒度の全粒粉は、生地の発酵が均一で、安定した仕上がりが期待できます。

自家製パンを作る場合は、中挽きから粗挽きの全粒粉が適しています。

用途

全粒粉の主な用途はパンやピザ生地作りです。独特の風味と食感が加わり、栄養価の高い焼き立てのパンを楽しめます。ただし、粉を全粒粉だけにすると生地が扱いにくい場合もあるため、慣れない方は白小麦粉と混ぜて使うことがおすすめです。家庭での具体的な使い方は以下のとおりです。

  • パンケーキやワッフル
  • クッキーやマフィン
  • 揚げ物の衣
  • シチューやスープのとろみ付け
  • グラノーラやミューズリーの材料

全粒粉は風味が強いため、スパイスやハーブとの相性が良い料理にも向いています。

全粒粉の保存方法と注意点

容器に入った全粒粉の写真

全粒粉の保存方法と注意点について、以下のポイントを解説します。

  • 最適な保存方法と保存期間
  • 酸化を防ぐ方法

最適な保存方法と保存期間

全粒粉は栄養価が高い分、一般的な小麦粉よりも酸化しやすいことが特徴です。正しく保存すれば、風味と栄養価を長く保てます。全粒粉の最も効果的な保存方法は、密閉容器に入れて冷蔵庫で保管する方法です。冷蔵保存なら約3か月間、品質を維持できます。

さらに全粒粉を長期間保存したい場合は、冷凍庫を利用すれば約6か月間保存が可能です。全粒粉を常温で保存する場合は、高温多湿や直射日光を避け、必ず密閉容器に入れてください。常温保存は酸化が進みやすいため、1か月以内に使い切りましょう。

全粒粉は小麦のふすまや胚芽を含むため、虫が発生しやすい性質があります。全粒粉の保存には密閉性の高い容器を使用し、定期的に状態をチェックしましょう。

酸化を防ぐ方法

全粒粉は栄養価が高い反面、油分を多く含むため酸化しやすい特徴があります。全粒粉の酸化を防ぐ方法は以下のとおりです。

  • 密閉容器に入れる
  • 冷蔵庫や冷凍庫で保存する
  • 脱酸素剤を使用する
  • 小分けにして保存する
  • 直射日光を避ける
  • 高温多湿を避ける
  • 真空パックを活用する

全粒粉が酸化すると独特の香りや風味が失われ、場合によっては苦みや不快な臭いが発生します。全粒粉の色が変わったり、いつもと違う香りがしたりする場合は酸化している恐れがあるため、使用を控えましょう。

全粒粉を食生活に活用してみよう

全粒粉のパンやパスタ、全粒粉、フレークの写真

全粒粉は小麦の胚芽・胚乳・ふすまをすべて含んだ栄養価の高い食材です。白小麦粉と比較して食物繊維やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、健康的な食生活を送りたい人に最適です。全粒粉の主な健康効果には、豊富な食物繊維による腸内環境の改善や血糖値の急上昇の抑制などがあります。

全粒粉を日常の食事に取り入れれば、さまざまな栄養素の摂取量を増やせます。全粒粉を使う際は用途に合わせて種類や粒度を選びましょう。自家製パンの場合は、中挽きから粗挽きの全粒粉が使いやすいです。まずは主食の一部を全粒粉が配合されたパンやパスタに置き換えるなど、できることから始めてみましょう。
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